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「ごちそうさん」放送終了

途中から観始めたこと、「あまちゃん」は全く観ていないこと、脚本家の方のことを詳しく存じ上げないこと等、全く勉強不足ながらも、近年の数少ない優良ドラマだと思うので、ここに記しておきたい。

観始めたのは大阪編からになりますが、まずミクロ視点として、焼き氷や空襲時の地下鉄運行など、よく調べて劇中の出来事へ無理無く昇華させたなあ、と感心しました。

次にエンターテイメント面で、毎週のエピソードでダレる回が無かった。きっちりと毎週起承転結を作り込んであって、その週を観終わると、サブタイトルの駄洒落の意味が判明するという構成力の高さ。

マクロ視点では、通して観たときに判る、ブレない設定と伏線回収。恐らくテクノロジーというサブテーマがあって、主人公の旦那の父親は鉱山技師だったけれど、公害問題に直面して世捨て人になる。主人公の旦那は、そんな父親を許せず、多くの人を守ることを目指してコンクリート技術者になり、彼の手掛けた地下鉄は空襲の際に人々を救う。主人公の娘は幼少時、熱や風や重量に強い興味を示す変人扱いを受けていたが、成人して、自然エネルギーの開発を目指す(ところでドラマは終わる)。

書いているときりは無いのですが最後に、自分が「ごちそうさん」を強く意識するきっかけになった週の話。

それは関東大震災の回で、前週、主人公が自宅(大阪)で強い揺れに襲われた後、旦那の部下が駆け付けてきて「東京が壊滅した」と伝えるところで終わる。

この構造、東日本大震災のときに東京に居た自分そのままであることに気付き、戦慄しました。ドラマのほうは翌週、避難者受け入れのトラブルで話は終わったけれど、このひりつく皮膚感覚が残った状態で戦前の緊張感が始まるので、主人公は呑気だけど観ているこちら側がピリピリしているという、上手なフィクションの運び方です。

あと主人公の次男が紙一枚で画面から退場という冷徹な部分も好きです。黒富野っぽい。