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父の買い物

先日、知り合いと話をしていて自分の父親の話題になり、久しぶりに父の事を思い出した。

父は買い物が下手だった。いや下手というのは表現が間違っているかもしれない。恐らく、へりくだる店員によって自尊心が満たされる体験が楽しかったのであろう。

最初にビデオデッキを買ってきた時、世間はVHSとベータの規格競争でベータの負けが確定していて、ベータ陣営はソニーだけになっていたと思う。当然VHSだと思っていた家族に、ベータ(しかも東芝)の機種を嬉しげに持ち帰ってきた父は、何故そんなもの買ってきたと詰め寄られ、『俺の金で買ってきたんだ』と開き直った。店員の口車に乗せられて在庫押し付けられたんだね…と、信用を落とした一件でした。

それから月日は流れ、『デジカメが欲しい』と言う父に付き添い、最初で最後になった父の買い物に同伴した。

プライドが高いから、自分がアドバイスしてもヘソを曲げるだけだと思い、基本は父の欲しいものを肯定するだけにしておこうと決めていた。

父はO社のデジカメと、C社のプリンタを買おうとしていたので、内心(やっぱ地雷踏みよった、xDピクチャーカードは鬼門や)と思いながらも、当時の最大容量のメディアと、プリンタのメディアスロットに差し込むための変換アダプタを買わせることで自分の役割を果たしたつもり。

こういった買い物心理行動は、成り金的田舎者と言ってしまうと身も蓋も無いし、高度経済成長期の世代論や世相論に接続できるかなとも思うけれど、面倒なのでしません。もし、父の親戚筋について書く機会があれば、当件と照らし合わせて改めて切り落としたいと思います。

亡くなった者を悪く書いてごめんよー。