地図でみる世田谷(世田谷区立郷土資料館)
スマートフォンのカメラで適当に撮ったら酷い写真になってしまいました。お許しくだせぇお代官様(郷土資料館は世田谷代官屋敷の敷地に併設されています)。
郷土資料館平成29年特別展「地図でみる世田谷」 | 世田谷区
企画展の看板も地味だな…会場も広くないしね…と書くと印象は良くありませんが、この展覧会は目録が凄いです。荻窪圭氏が絶賛するのも納得であります。
この判型、厚さで1000円!しかも付録が、PDF資料を収録したDVDと、東京交通社発行『大日本職業別明細図 世田谷区(昭和12年)』の豪華2点ですよ奥様!
「区谷田世 査調新最」と書かれた封筒から中味を取り出してみると、
地図に当時の名所の写真や広告も!民間の展示企画展だったら、この復刻地図と封筒だけで1000円の値が付きそうです。
このように各年代に作成された地図がぎっちり掲載されています。ちなみにこの頁は大正10年に作成された「演習地図」。演習とは陸軍の軍事演習です。このように、世田谷に関わる地図が、明治期からギッチリ掲載されています。
これは昭和10年の「京王電車沿線案内」。勿論小田急や東急の沿線案内も収録!
区内鉄道沿革図。Wikipediaでしか見たことがない「代田連絡線」が!
これは昭和15年に開催される予定だった幻の東京オリンピックの計画図。来なかった過去まで収録されている地図帳だよ。
戦時改描。軍事施設のみならず、変電所や給水場も無かったことに。何故かウテナ化粧品工場も。
「戦災消失区域表示 帝都近傍図」消失区域がピンクで着色されています。
軍事・鉄道関係のみピックアップしていますが、図録はインフラ(上下水道、郵便電話電話、道路)計画や観光、産業関係も網羅しており、東京の多面性を知ることができる、素晴らしい図録になっています。