長嶋りかこ展「産び(むすび)」(clinic(三軒茶屋))

ブルーボトルコーヒーの脇の路地をすり抜けて覗き込むと、ギャラリーという容れ物の体内から飛び出してきた臓物が、庭で日向ぼっこをしていた。

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 このインスタレーションは、2017年に行われたアニッシュ・カプーアの個展で展示された、長島りかこ氏のインスタレーション《HUMAN_NATURE》を、今回のギャラリー会場用に再構築したもの。

Rikako Nagashima

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 最初に「臓物」と表現した、肉を連想させるピンクが仄かに混じっている、直径30cm程の赤い管は、捻じ寄ることで威圧感を齎しているが、さらに寄せ固めることで、脳や臓器のような器官を思い起こされる。またギャラリーの外でのたうち回る様子は、腹を破られて放り出されたか、自ら突き破って這い出てきたかのような生命感を感じさせられる。

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 会場に置かれていた2枚のテキストは、長島りかこ氏(左側)と飯田高誉氏(右側)によるレジュメ。家に帰ってから読み、子宮をメタファーにしていたことに気付く。

長嶋りかこ個展「産び(むすび)」絶賛開催中。アニッシュ・カプーアへのオマージュを元診療所跡で再構築したインスタレーション【レポート】

 余談ですが、『人造人間キカイダー』の敵役、ハカイダーは脳を透明なケースに被せたデザインで、「脳味噌に直射日光か」というツッコミがあったなあ、という与太話を思い出しました(酷いオチだ)。