クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime (国立新美術館)

 好事家には機能不全メタボでお馴染み、中銀カプセルの黒川紀章先生設計の国立新美術館に初めて行って参りました。

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 ボルたん(コラ!)が自ら会場構成を行ったワガママ回顧展です。

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 不勉強で予備知識無しのまま飛び込んだのですが、会場の順路前半は、照明を落とした部屋に、祭壇を想起させる「モニュメント」シリーズやその派生オブジェがこれでもかとばかりに覆い尽くされており、真っ暗で中が何も見えない死の深淵を無理やり覗かされている気分になります。

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《ぼた山》黒い服を積み重ねているらしいのですが、照明を意図的に下げていることもあって、近くで目を凝らしても服を認識できません。炭鉱で働いた多くの人々を象徴、と言われても困る。

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《アニミタス(白)》殆どが陰鬱としたオブジェやインスタレーション作品の中で、数少ない、静寂と落ち着きを感じさせるビデオプロジェクション。これ以外の作品との連続性を感じさせない、違和感があったのですが…

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《白いモニュメント、来世》出口近くのこのケバい看板、日本語にすることで変なパチモノ感というかキャバレー、スナックのような場末感が出てしまい、失敗だったのではないかと一瞬思ったのですが、逆に、現代美術の巨匠の展覧会というより、死後の秘宝館とか、あの世ワンダーランドといった下世話に捉えてもいいんじゃないか、と変に腑に落ちました(都築響一さんのロードサイドカルチャー的に)。

クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

【展覧会HP】クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime