MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020 (国立新美術館)
本展は2018年に行われた「ジャポニズム2018:響き合う魂」の公式プログラムとしてフランス・パリにて開催され、大好評を博した【MANGA⇔TOKYO】展を元に、このたび「日本博」公式事業として再構築いたしました。パリから東京への凱旋展でもあります。
…らしいです(展覧会の「ごあいさつ」より抜粋)。
MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
この展覧会がオリンピック便乗インバウンド需要当て込み企画なのは別に問題ではないんですよ。ですが、見所が『1/1000 巨大東京都市模型』しか無かったというのはどうなんですか。
一応、紹介されている作品毎に原画なり動画なりが数点、展示されてはいるのですが、アニメーション作品の原画や絵コンテ、背景美術に製作者キャプションは無いんですよ。そういう展覧会ではないのは承知してはいても辛い。
紹介されている作品群に『美少女戦士セーラームーン』があることで、お察し案件なんですよ。セーラームーン、東京と関係無いですよね。(※追記参照)
コミック、アニメーション、ゲーム、特撮等の「作品で描かれた東京を観る」ならまだ納得できるのですが、ベクトルは逆で、「東京を舞台にした作品を紹介する」雑な聖地巡礼で、展示は只のかき集めになり、誰が得するんだっていったら製作者でもファンでもなく、主宰や後援に名を連ねている団体だけですよね。以上。
(以下、2020/11/27追記)
ブックマークやTwitterで『美少女戦士セーラームーン』についての誤認をご指摘頂き、アニメ第1シリーズの第1話と原作の第1話を確認致しました。
主人公が麻布十番に住んでいること、ルナが「TOKYOは変な事件が続出している』と言っているのを確認し、「東京と関係ない」が誤認であることを確認致しました。
では当展覧会に対して評価が変わるのかというと、それは無いです。
1,自分の視点は、上で述べた通り、「企画のベクトルが逆ではないか」という問い掛けであること。
2.『セーラームーン』は東京と関係のある作品だ、という指摘については、アニメやコミックの進展を詳細に知っている訳ではありませんが、骨子については「別に東京である必要はなく、架空の街に置き換えても何ら問題の無いレベルの設定」に読めました。アニメの背景美術を見ても、東映動画の魔法少女シリーズの延長レベルで、東京タワーが映るカットもありましたが、地域性の意識は無いと思います。
繰り返しになりますが、展覧会のあり方としては「東京と関係している作品をかき集める」ではなく「作品を通して描かれた東京を読み解く」のが、本来の展覧会かな、という感想です( id:asakura-t さん、どこ見てたんだと追記されてますけど、展示原画や背景、コンテにクリエーター名が無いって話、上で書いてますよ)。