「都市と人間」コレクション展 都市×モニュメント×カタストロフィ(川崎市市民ミュージアム)

3ヶ月ぶりの更新なのに、またカタストロフィか!日本沈没か!と最初に自分でツッコミ入れておきます。

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 ミュージアムと名乗っていますが、施設概要によると、博物館と美術館の複合施設で、博物館施設が常設なので、実質は郷土資料館+ギャラリーです。

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 《川崎×工場×開発》《パリ×建築×コミューン》《東京×娯楽×関東大震災》と、3つの都市の記録展示という内容で、それらの都市における、公害、パリ・コミューン関東大震災という人災・災害による破壊を俯瞰する構成です。

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 コレクション展なので当然川崎が一番充実していました。不勉強だったので「工都」という呼び方を初めて知りました。工業都市という自負と公害という負の遺産がコンパクトに纏められて面白かったです。こんなに工場が沢山あるんやで(ドヤー)な地図もあれば、川崎としてはあまり見せたく無い公害関係の資料もあり、繁栄に影あり、といった趣が醸し出されていました、

 パリと東京に関しては、こういうコレクションをお持ちでしたのねハイ、という感想。東京のコーナーに宮武外骨の『震災画報 第一冊(合本)』が展示されていて、耳なし芳一宜しく、顔以外の全身が尋ね人の張り紙に埋め尽くされた上野の西郷隆盛像の挿絵の頁が開かれていました。

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 関東大震災に限って言うと、岡本一平を始めとした漫画の展示が多かったんですけど、瓦礫の平野になってしまった状態など、説明があってもよく判らなかったんですよ。省略や記号化を得意とする表現と災害記録の相性の悪さが目立ってしまい、やはりこういう場合は写真が力を発揮するなあ、と感じました。

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 まあ同時開催中の竹宮惠子展が主力なので仕方ないね…地図とか面白かったので図録買おうと思っていたのに本展覧会の図録は無いんですよ。ショップには竹宮先生関連と次回開催の岩合ネコ関係が並んでいたのですが、竹宮先生の本なら電子で買えるし岩合はしょっちゅうデパートに巡ってくるのでね…

「都市と人間」コレクション展 都市×モニュメント×カタストロフィ | 川崎市市民ミュージアム

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