カタストロフと美術のちから展(森美術館)

久しぶりの美術館でカタストロフってどうなの、と思うところもありますが。

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六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展 カタストロフと美術のちから展 | 森美術館 - MORI ART MUSEUM

 意図としてはやはり東日本大震災という体験から、それは世界のあちこちで国家レベルから個人レベルまで、希望を持てない状況に対し、可視化/共有という役割を得意とする美術という営みが、どのような作用を持ち得るのか、という企画と捉えています(パンフレットの説明文を基にした個人の解釈です)。

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f:id:gurinekosan:20181206165207p:plain 作家名/作品名:トーマス・ヒルシュボーン《崩落》

 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

トーマス・ヒルシュボーンの作品は、それが戦争によるものか自然災害かは明示されていないそうです。手前に重機があれば、単なる解体現場というか、よく見かける光景のような気がします。

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 作家名/作品名:アイ・ウェイウェイ《オデッセイ》

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アイ・ウェイウェイの作品は、古代ギリシャのスタイルで難民の受難を天井から床いっぱいに描いています。引きの写真だと細部がよく分からないと思いますが(すまん)横列全てに、難民が迫害を受けている、あらゆる光景で埋め尽くされており、母国から虐げられてきた氏の心情は察するに余りあるものがあります。

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 作家名/作品名:池田学《予兆》

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 作家名/作品名:池田学《誕生》

 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

池田学の《予兆》と《誕生》。《予兆》は東日本大震災の前の作品ですが、不穏な空気感や不安感を絵にしたら、津波という表現になったのだろうと思われます。

《誕生》は会期途中からの展示なので《予兆》とは離れた場所の展示。ミズマのギャラリーの時より観やすくて良かったです。

 阪神淡路大震災の時の作品でしたが、久しぶりに宮本隆司氏の写真が観られたのも収穫でした。

 オノ・ヨーコの参加型インスタレーションは、手袋や靴下を持った係の方に笑顔で声をかけて頂きましたが、遠慮させて頂きました。目玉の一つだったかもしれませんが、装備して落書きするのが面倒だったのと、ただでさえ文脈が不明瞭になりがちな企画展の中で、少し違和感がありました(個人の感想です)。

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 こちらは美術館ではなく、隣接フロアの東京シティビューで開催されている「藤子不二雄Ⓐ展 -Ⓐの変コレクション-」の展示。他の展示はほぼスルー(インスタやってないからね)でしたが、竹谷隆之氏のリファインによるシルバークロスがかっこよかったので。

 あと森アーツセンターギャラリーでカードキャプターさくら展も開催されていましたが(略)。 

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